彫金タガネ塾~12期生の直接講習

彫金タガネ塾の開講は調べればわかるかと思いますが、15年近く前の話になります
私自身の余った超硬素材を市販のタガネように直線用で刃付けしてヤフオクで安く売り始めました
そんな中、曲線用のタガネは研げないのか?という質問が入りました
当然の事ながら手で研げますが、量産品の研磨機でのレベルの工賃では研げません
私は約10年、自称国産の市場の超硬タガネの大半を外注仕事で研いでました
でも、もし曲線用のタガネを市販化出来たらと思いました

平面研磨機で研いだ直線用の超硬タガネでは和彫りは彫れません
少し割高にはなりますが、私は手研ぎの技術と研磨機の研ぎの経験から
曲線用のタガネの市販化に至りました
その曲線用のタガネを購入された人から直接再研磨は可能かと質問が入りました
もちろん再研磨は可能です!逆に言えば、このレベルで研げる人間は私しか居ません
私が死ぬまでは可能です!という回答にタガネ研ぎを覚えたいというのが彫金タガネ塾の発端でした

以後6人の人が彫金タガネ塾の講習に直接来られましたが
コロナ過の前の7期生より熊本の人からのリモート講習を開始しました
これがいいタイミングとなりまして、偶然ではありますがリモート講習が増えました
動画としては直接講習の記事は初になりますが、よかったら動画をご覧ください
動画下のコメントはYouTube動画の字幕に入ってます


コロナ禍から、リモートでの彫金タガネ塾が増えましたが、第12期生になりました
東京なのでリモートが多いのですが、今回は直接講習が2回目になりました
まだ上手くタガネが研げない状態でしたが
青タガネの下削りの講習も含めて、私の青タガネのお手本で彫って頂きました
初めての彫りになります
思ったように彫れないのが和彫りですが、ヤニ付けやヤニ外し、ヤニ落としまで講習しました
これに限らず以外に重要なのが、おたふく槌
この私のおたふく槌のように、加工しました
その重量はわずか30~40グラムになります

動画の字幕以後の詳しい話になりますが

これまでの彫金タガネ塾で驚いたのは、でっかいトンカチで彫りをしてる人が多い事です
おたふく槌は4分を使い、柄も手の長さに切り、加工して使います
トンカチを鷲掴みのように握ってるような状態では、繊細な彫りは出来ません!
私も彫金タガネ塾を開講して、逆に塾生から間違った技術を知る事も出来ました
市販の直線用のタガネを研ぎ直しせずに和彫りは彫れません!
市販のタガネをトンカチで叩いて彫っても、彫るだけ無駄です
私にしてみれば、それは常識の範囲で、あえて教える事ではないと思う事も多いですが
和彫りは情報が少ないために、私の思う当たり前の事が、当たり前の情報ではないようですね
動画も触りしか見ない人が大半です
そんな事で覚えられる事ではありませんね

彫金タガネ塾という物は元々が和彫りや彫り留めの基本となる「タガネが研げるようになれば一人前」というところからです
例えば細工の宝飾の加工技術と、このタガネを使った彫りの技術者は根本的に職人は異なります
私は類稀に彫り職人の祖父と飾り屋の親の環境に育ったので二足の草鞋を履きました
彫金タガネ塾というタガネを研ぐだけの講習に特化して来ましたが
いわゆる素人のジュエリーの制作のための彫金教室は星の数ほどあります
ですが和彫りや石留の技術や、ジュエリーの細工の技術、また中央宝石研究所の鑑定鑑定士でもありますので、宝石の知識なども付加価値としての講習は可能です

今回の12期生は、このようにジュエリー全般に覚えたいという若い人になりました
彫金タガネ塾とは、現在の私が最も得意としてるタガネ研ぎに特化した塾で開講しました
彫りも石留も細工の仕事も宝石の知識も現役ではないため、講習には葛藤もありました
でも、現役の職人は中々講習出来る状態ではないかと思います
私が教えられる事であれば、彫金に限らず釣り道具作りも自動車整備も
希望があれば最低賃金に近いレベルでどんなカテゴリーでも個別講習でお教えします
中には一子相伝もあるかもですが(笑)


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