超硬タガネのSUS304柄のカスタマイズ

 最近の事ですが、かつて遊び心で作った赤タガネもどき
これは使わずにヤフオク出品したのでしたが
これを再製作したのは、柄そのものが鋼のタガネの形状をしてます
今もなお赤タガネを使用してる職人さんが居ますが
古くから永く使われている物には、それなりの理由があるからです

根本的には青タガネや超硬タガネが研げない人、移行出来ない人が使うのが赤タガネだと思ってました
しかし、それだけの理由だけでもないような気がして来ましたので赤タガネもどき再製作になりました
まず赤タガネもどき再製作1本目は銅板に1本だけ彫って中古として1円スタートでヤフオク出品しました

この時の動画はアップしてますが、驚いたのはタガネの空振りが多かったんです
これで気が付いたのは、私は現在SUS304柄の平鋼だと右の角を叩いていたようです
毛彫りだとそれほどでもないのですが、片切りの場合は斜めに彫りますので
タガネの打撃点は小さい方が、丸に近い方が刃先に同じように伝わると考えました

以前からロウ付け部分の段差は少ない方がいいと思い、SUS304柄のタガネでもロウ付け部分はある程度テーパーに切削してます
しかしながら打撃点の事までは考えてませんでした
つまりロウ付け部分の段差を極力無くして、打撃点にもテーパーに切削して丸める
これはSUS304の平鋼をこのようにカスタマイズする事により、鋼のタガネの形状に近くなります


難しいのは、ここまで私もかなり練習して来ましたので、その上達の問題かも知れませんが
このように柄を加工する事により、さらに彫りやすくなった気がします
まさに古きを訪ね新しきを知るという故事成語そのものかも知れません

特に中央の巻きタガネはロウ付けの段差が殆どありません
それだけ難しい彫りなので、ここまで削ってしまいました

このような形状に切削した理由は、これだけではなく熱収縮チューブになります
平鋼だと、どうしてもチューブがズレてしまいますが、こうなるとズレません
年で脂っ気が少なくなって来てますので、滑り止めに施工してる物です


さすがにここまで加工したら高い物になってしまいます
基本的に私の製作するタガネは、超硬部も柄もタガネ全体的に長めで太目になってますが
これは刃先を研げば必然的に短くなる
刃先が折れるのは大抵5ミリくらいのところですので、刃先が折れても再研磨で再使用可能
柄の打撃点もSUSとて潰れて短くなって来ます

確かに最初は長く感じる人も多いかと思いますが、永く使ってもらいたいからです
もし長いのであれば、柄を短くする事はそれほど難しい事ではありません
それすら出来ない人には、最初から彫りは止めた方がいいと思います
柄が太く、タガネ全体が長いのには再研磨やカスタマイズ可能な部分になります
特に超硬部分が長いのには切削研磨的にも資材的にもコストが掛かります

個人個人の好みやデータに忠実に再現する事も出来なくはありませんが
この辺りは使い手がカスタマイズする物ではないかと思います
超硬タガネの刃先の再研磨における難しい研ぎはお承けいたしますが
彫金用のタガネの場合は、基本的には自分で研ぐという物だと思います





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