彫金タガネの研ぎ方~第7話(まずは直線用片切りタガネの研ぎ)
随分とロングセラーの彫金タガネの研ぎ方シリーズになりましたが
これまでのタガネを研ぐ際のブログネタである目の錯覚や手のクセなどを理解して頂いた上で、いよいよ実戦に入ります
前回の第6話では、そのタガネ研ぎの道具を紹介しました
ひとつ足りなかったのはルーペになります
これは宝石の鑑定や鑑別に使う高価な物ではなく、悪まで道具のレベルでいいと思います
まずタガネ研ぎは毛彫りが難しいので、最初は直線用片切りタガネの研ぎを紹介します
私自身は宝飾クラフトでは毛彫りの研ぎから始めました
これは、まず最初に彫るタガネは毛彫りからになるためです
彫りとしては毛彫りの方が楽なのですが、タガネ研ぎとしては毛彫りの方が難しいです
そのため、まずはタガネ研ぎを覚えるためには、私は片切りから教えてます
まずはタガネ研ぎにこれまで話したように錯覚を無くす意味でも
第5話の下削りで大まかに断面を90度に下削りをしました
実際の研ぎに使用するタガネは青タガネになりますが、これは悪まで練習の撮影のため安い赤タガネを使用してます
赤タガネで研ぎ練習する場合は焼きを入れてからの方がいいと思います
説明が後になりましたが赤や青タガネには、その刃付けの向きがあります
平な部分が上刃で、斜めな部分が下刃になります
これはその上下がはっきりしない個体もあります
いずれ、平の側が上刃、斜めの方が下刃が基本になります
まずは下刃を削りますが、その角度はナチュラルに研ぐ角度ですので30度くらいです
その30度くらいでインディア砥石で研ぎます
研ぎの説明のため太いタガネですので、時間が掛かりますが
出来れば砥石の面を荒らさないように砥石全体を使うのが理想です
最初に研いだ面になります
これはこれまでの記事でお話ししてるように、真っ直ぐに研いだつもりでも手のクセがあります
塗りつぶした面が今回研いだ面ですが、私の場合は、このように右側を多く削るクセがあります
このクセを少しだけ右に修正して研磨します
難しいのは、私のクセの場合はこのように右側に傾いて右側を余分に削ってしまうのですが
それを修正して研磨する場合は見え方としては逆になります
つまり、右側に傾いて削った場合に、その修正の際には左側に修正する訳ですが
研磨面と視点が逆になるため、左側を削る事になりますけど、上からの視点は右側になります
これが頭の中での混乱を招きます
私の場合、このように下刃から見た場合には右側を余分に削るのが私のクセです
これを修正るには、上から見ますと私のクセは左に傾いているからですので
それをちょっとだけ右に修正して真っ直ぐな面に直します
写真とテキストでの説明には限界があります
字幕も入れてますので、YouTubeの動画でご覧くださいm(__)m
もう一度説明しますが、最初に研いだ面は右に傾いてます
研いでる時は逆転して左に傾いてますので、これを右に修正するという事です
ちなみにプラモのスジ彫りタガネは彫金用の下刃のみの片刃になります
こちらは彫金用のタガネですので、上刃を研ぎます
基本的に上刃は下刃よりも鈍角になりますので、目安としては45度くらいです
鈍角のため、押して研ぐと引っ掛かり砥石を荒らしやすいです
上刃は研ぐ面が小さいので、引いて研ぐだけでも充分です
また絵で説明しますが、赤い部分が今回研いだ上刃になります
動画の撮影中にも意図的に修正せずに研いでました
しかし、これを参考に初心者が研いでも、さらに複数の面が出来てしまうと思います
そうなると今研いだ面がどの面なのか?という混乱を招きます
そのため、研ぐ面と研いでる面との左右逆転する事にさらに混乱します
これが超硬となりますと、さらにわずかな角度の違いで研ぎ面が多面化しますので
どの面を基準に研いでいいのか?もわからなくなります
鋼のタガネを研ぐ事が出来なければ超硬を研ぐ事は出来ません
でも青タガネが砥石で研げれば、超硬の研ぎはその延長線上にあります
赤タガネをやすりで削って焼き入れしてタガネが作れたとて
青タガネを研ぐ技術、その先にある超硬の研ぎには結び付きません
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