バリエーション追加のスチール柄(SS400)タガネの製作中ですが

私が彫りを学んだ80年代に購入した超硬タガネの柄は全てスチールでした
現在は当所のタガネも含めてステンレスになってます
赤タガネや青タガネはサイズ別に長さも太さも違います
超硬タガネの柄は全て一緒ですが、赤タガネや青タガネのようにサイズにより柄も変えた方がいいと思い試作してみました


定番のSUSの5×3に対して、スチールのSSの4×2ミリの平鋼の柄になります
SUSの柄も含めて、当所のタガネはロウ付け部分をサイズに合わせて少しテーパーに削ってます
全長は同じで超硬部分のチップが25ミリ、柄が75ミリ-ロウ付け部分5ミリで約95ミリになります(各部共に個体差あります)


SS400はSUS304に比べると随分柔らかいスチールになります
メリットは柄がオタフク槌の力を吸収して、刃先が破損し難くなります
(折れないという訳ではありません、初心者入門者には極細タガネはお勧めしません)
車で例えるならショックアブソーバーような役割しますので、船底と合わせてさらに刃こぼれし難くなります

また赤タガネ以上に柄を加工しやすく、ロウ付け部分の段差をさらに無くしたりする事も容易です
やり過ぎるとロウ付けが外れやすくなりますが、タガネ全体が釣り竿のようにしなり
オタフク鎚の打撃に対しての刃の落ち着きは良くなります

また磁石に着くため、マグネットツールホルダーに固定出来ます
SS柄は主に極細用のタガネになりますが、デメリットはタガネ全体にしなり感がありますので、オタフク鎚の打撃に対しての刃先の感度は鈍くなります
加えてオタフク槌の打点が早く潰れます
また酸化が早く、すぐにサビます

酸化が早いために、錆止め塗装してます
ラッカーなどで落とせますが、出荷までの錆止め目的ですので気泡が入ってりする物もありますが、ご了承ください

余談になりますが、以下の写真の左は製作中のサビになります


このサビ状態に、試しにソフト99の錆転換剤を塗ったのが右です
これもまたブラックに塗装される感じですのでクリアーの錆止め塗装よりも良さげですので
納品時の外観にはなりますが、錆転換剤の処理も赤や青タガネのムードです
商品化にクリアの錆止め塗装と錆転換剤と迷ってます(笑)

SS柄の4×2ミリの平鋼は規格サイズでないために単なる普通鋼でありながら素材として高価です
加えてロウ付けの酸化や錆落としや錆止めに手間が掛かりますので、少し値段も高目になってます
ちなみに80年代のスチールの柄の超硬タガネの相場は3000円ほどでした
当時の金属の相場は今の半額で、刃が研がれていませんでした

SS400の今後の入手に不安がありますので、限定品としてバリエーション追加になります
赤タガネもどきと合わせて、近日発売予定です





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