限定品 オーバル超硬ヘラの切削研磨

前回のオーバル超硬ヘラは比較的すぐに売れてしまいました(^^)
引き続き製作しましたが、前回の逆Rに苦労しましたので超硬部分をいつもより長くしました
長さにより、オーバル部分を長くする作戦でした
しかし、長くなった分は研磨は大変になり、その前にロウ付けの曲がりが長い分出ます
私の超硬研磨の技術を持ってしても、簡略化は無理ですね
これをご購入の人の大半はリピータさんになってます
今回は、このオーバル超硬ヘラの製作の一部にはなりますが、動画にまとめました


柄の穴開けからロウ付けは省きまして切削と研磨が中心になりますが
これまで動画ではなかった研磨機での撮影もしてます
まあ、この部分は企業秘密とも言えるところではあります

基本的に超硬ヘラが主にラウンドなのは、その研磨の難しさからです
回転させて切削と研磨をする事により、何とか量産出来る物という事です
それでも研磨に妥協を許さないと、1本3000円やそこらの金額では工賃が合いません
超硬ヘラを製作してるのは、超硬研磨の専門職人としての意地みたいな物です

余談になりましたが、どのようにオーバル超硬ヘラを切削研磨してるかと言いますと
まずは下削りになりますが、丸材をオーバルにするための粗削りですが
最初はマイナスドライバーのような形に研磨ガイドを使って削ります
ここからフリーハンドでオーバル形状に削ります
この動画では仕上げのダイヤモンドホイールで研磨してる部分のみになります

ラウンド形状のバフ研磨は以前にも動画にしましたが
ヘラをボール盤で横に回転させて、バフを縦に回転させて研磨します
オーバル形状のヘラを回転させますと、平な面にバフが当たり難いので
ラウンド形状とは違い、このようにボール盤に張り付いてバフ掛けをしないとなりません

ヘラ使う人は貴金属の磨きが多いかと思いますが、貴金属と同じようにスとの戦いです
同じ方向にバフを掛け続けると、点であるスを線に引っ張って逆に目立つようになります
それでヘラ自体を回転させ、バフもその回転方向に対して角度を約90度変えて研磨します
例えば包丁やタガネを手で研ぐのに、同じ方向で前後させますが、それでは完璧な鏡面にはなり難いんです
鋼のヘラも、床屋のカミソリのように前後に動かして研いでると思いますが
私に言わせれば、超硬ヘラの研磨はそれでは研げないんです

悪まで完璧な研磨をするためではありますけど
スは貴金属も超硬も全く無くすという事は、おそらく現在では不可能かと思います
どうやってスを消すのか?という技術の部分になりますが
ヘラは、その貴金属のスを潰して消すという道具でもあります
ゆえにヘラにスは許されないという考えで製作してます
超硬のスを潰して消す物は存在しないので、大変な訳なんです

作品を作る工具は当然沢山ありますが、工具を作る工具は少ないので
その工具を作るための工具や治具も作ならければなりませんからね

こちらのオーバル超硬ヘラは工房BijoDamショッピングカートにて販売します







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