BijoDam超硬タガネ船底鏡面SPL~巻きタガネによる唐草彫り

再び部門的な彫りの技術になりますが
唐草彫りに代表される片切りで360°曲げ続ける彫りを「巻き」と呼びます

この「巻き」に使用するタガネは通常の船底の曲線用よりも下刃を急カーブさせた
巻き専用のタガネを作りますが、これをここでは「巻きタガネ」と呼んでください

当所のタガネでは通常の曲線用を「曲」としてますが、巻きタガネは「急曲」としてます

この「巻き」という技術は、和彫りの中でも最も難しい彫りと言っても過言ではありません
でも、これが上手く彫れるようになれば、和彫りを習得出来たとも言えます
それは現状として銅板の平面で彫り練習をしてる訳ですが、実際問題として指輪に彫る場合は曲面に彫る訳です
そのため「巻き」のように、どんな彫りでも実戦では角度を変えてタガネを入れ直す事が必要になります

そういう意味でも「巻き」は彫りの集大成とも言える彫りにもなります
この彫りは特に静止画では伝えきれませんので、動画をご覧ください


まずは例によって当所オリジナルのケガキサゲで5mmの位置をケガキます
これは巻きの彫りの幅の目安のためです
この5mmの幅の中に鉛筆などで下書きをしますが
浪葉模様彫りのように4mmでもいいのですが、「巻き」がさらに難しくなります

使用するのはBijoDam超硬タガネ船底鏡面SPL■片切り1.3mm急曲になります
巻き専用タガネになりますが、半円彫りも彫りやすいタガネになりますが
今回は5mm幅という事にしました

下書きのように6の字のような彫りになりますが、後半の巻きの部分になると彫刻台を回転させないと彫り進む事が出来ません
これを一回の彫りで1発で仕上げるが難しいという事です

約35年というブランクがありながら、この程度の練習で戻りつつあるのは
過去外注で市販品の研磨機の研ぎだと何万本、何十万本も研ぎましたけど
超硬タガネ専門の研ぎプロに転向し、オリジナルの曲線用のタガネも何本作って売った事か・・・
その数は市販品のタガネには一生掛かっても追い付く数ではありませんが
彫り職人の大半が苦手とか、嫌いとか、私も同じでしたけど
タガネの研ぎだけは誰にも負けない自由自在に研げる技術力が
少なからず、老いてもここまでのレベルに短期で取り戻しつつあるという事でもあるかと

弘法筆を選ばずとも言いますが、タガネの研ぎの良し悪しは彫りにもかなり影響します
だからこそ、タガネが研げるようになったら一人前と言われてる所以です

今回、運よく片切りの右の刃で割とお手本的な巻きが彫れましたが
右利きの場合は左の刃で彫る事がもっと難しくなります
逆の左の刃での巻きは、まだまだこうは彫れません(^^;)
そこまで取り戻せたら、唐草模様彫りもアップしようかと思ってます

現状としては、35年前の宝飾クラフトでの自分の彫りの練習した銅板の彫りが
今の私のお手本となってます(^^ゞ







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