超硬 洋彫りタガネの試作品(GRSグレーバーマックスなどの丸材用)

これまでの販売のラインナップの洋彫りタガネの取付け部分は面取りしてました 
洋彫りタガネの取付け部分はメーカーにより様々でもあります

従来はヤスリのように木製の柄に挿すだけとか、ナナコなどは丸いため丸い穴を開けるだけとかですね
当所の場合はピンバイスのようなチャック式ハンドルに取付けを前提にしてますので、丸材のままでもいいのですが、チャック式ハンドルの場合はかなり深く入ってしまいますので、これ以上入らない位置を決めるために、もう一つは刃が回転しないようにするための面取りです

洋彫り用のハンドルの取付けを調べますと、GRSの同じメーカー内でも多数あります
グレーバーマックスを見ますと、イモネジが横方向に2か所で丸材を前提とした位置関係です
しかも軸径が3.5ミリとの事、通常のピンバイスもチャック式ハンドルも同じく径が3.2ミリまでしか対応してない物が多いです

これはメーカーがライバル社に互換させないためでもあるように思えます
例えばトヨタと日産ではホイルナットのピッチが違うとかです

ラインナップには加えてないのですが、当所では3.4ミリの丸材もリピータさんの特注で製作してますが、対面寸法を3ミリ以下にすることでチャック式ハンドルに対応させています
しかし、3.4ミリの丸材で面取りしない方がグレーバーマックスにはジャストフィットという感じです

そんな訳で、お客さんからの要望もあってGRSグレーバーマックスなどの丸材用を試作してみました


90度片切りと毛彫りになりますが、どちらも対面寸法で2ミリくらいです
片切りの側面は和彫りタガネと同じように鏡面研磨してます

3.4ミリの丸材をバリエーションに入れてないのは資材も高価で手間もかなり増えます
面取りしない分は手間は減りますが、研磨中に回転してしまう恐れもありますので
リスクが高くなります

いずれにしてもバリエーションやラインナップを増やすと、それだけ在庫を抱えなければなりませんので、悩むところです

また一つの工具を作るために治具を作る必要性も出て来ます
一番治具が多いのは、一番採算の合わないヘラ棒です
柄にロウ付けのための穴開け治具、ロウ付け用治具、研磨にもボール盤と専用バフという感じです
少しでも早くキレイに仕上げるために製作した治具になりますが・・・

採算の合わないのに製作してるのは、ヘラ棒は完璧な研磨の物が1本は必要という考えです
特に飾り屋は道具の手入れという事をあまりしません
使い捨ての工具が多いからだとは思いますけど
ここまでのレベルまで研げとは言いませんが、これもまたお手本を販売してる意識です

治具とは、つまり工具を作るための工具から作るという事でもあります
特殊な工具を作るという事は、売ってる工具だけでは作れないとも言えます
ちなみにこの3.4ミリの丸材のタガネを作るために、また一つ治具を作りました
自分が使う分だけ作るのであれば、そこまではしませんけどね
これを売るとなりますと、治具が必要になるという事でもあります

もちろん、それ以上に研磨の技術が重要ではありますが

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